仮想化サーバを見積もってもらうときに必要な5つの項目

ITシステム(教育)

搭載予定のサーバのOS(ゲストOS)は、何か?

仮想化サーバを物理的に動かすためのサーバOSをホストOSといい、それに対して、仮想化されるサーバのOSをゲストOSといいます。ゲストOSにWindowsを載せるか、Linux系を載せるかでホストOSをどうするかが決まってきます。Windows系が多い場合は、仮想化ソフトにHyper-Vを選択するためホストOSがWindowsのWindowsサーバとなります。

Linux系が多くても、最近はHyper-Vを選択することが多いのですが、唯一、Linux系OSのバージョンは常に最新を求める場合、VMwareの方が対応が早いので、こちらが選ばれることになります。VMwareは価格と保守が高いので、できる限りHyper-Vを選ぶことになりますが、仮想化サーバにインストール予定のアプリケーション側から指定されることもあります。VMwareはホストOSなしで、直接インストールという形になります。

今回はVMwareで見積もりを取る場合を考えていきたいと思います。

ゲストのスペックを一覧にする

例えば仮想化サーバに入れようと計画するものが、WebサービスのためのWebサーバ1台、DBサーバ1台、smtpだけの簡単なメールサーバ1台、学認のidPに1台とします。このようにゲストの想定が具体的であればあとは簡単です。

スペック表(仕様表)を作りましょう。

1.CPUのコア数と周波数(GHz)

CPUはシングルの10コア、12コア、16コアで2GHz代が価格的に手頃です。周波数が2GHz後半や3GHzになると高いですのでできるだけ下げられるといいですね。CPUを2つにするデュアル構成だと、コア数を増やせて搭載できるサーバ数は増やせるという利点はありますが、VMwareの価格がCPUごとなので倍になったり、バックアップソフトがCPUごとだとそれも倍になったりしますので、注意が必要です。

仮想化ではCPUの利用率は常に100%ということはなかなか有りませんので、全体で平均して2分の1程度で計算することが多いようです。

2.メモリ容量

メモリは単純な足し算です。アプリケーションで推奨される分を足し合わせていってください。また、VMwareで4GB使います。

メモリは冗長性を考え、物理的には8GBを4枚挿したり、16GBを4枚挿したりします。間違っても64GBを1枚挿すというようなことはしません。

3.ハードディスク容量

ハードディスク容量も足し算で構いませんが、RAIDの構成をよく考えてください。基本的にはRAID5かRAID10を利用します。RAID10の方が速度は早いですが、RAID5が3台で1セットなのに対して、RAID10は4台で1セットですので実効容量は比較的少なくなります。

データベースサーバとして利用する場合はRAID10が推奨されています。

4.ネットワークのスピード、帯域

ネットワークスピードが必要な場合は、NICをゲストOSごとに用意するという構成が考えられます。スピードを求めない場合は、仮想NICを構成しNICを共用するということになります。さらに、NIC及び通信機器で冗長構成を取るかどうかでも数が変わってきます。ゲストOSのNICを冗長化するのであれば、NICはゲストOSごとに1枚ではなく2枚必要になります。

この他、バックアップをTeraStation等のNASではなく、サーバで構成する場合は、これとの通信にもNICが必要になります。

NICは高くないので増やしておけばいいと思うかもしれませんが、サーバセグメントのネットワーク機器(L2スイッチなど)にポートの空きがあるかどうか注意が必要です。冗長化となると、2台構成でネットワーク機器が組まれている必要があります。

もしホストのサーバを冗長化するのであれば、同じサーバがもう一台必要になります。

ゲストについて押さえておくこと

ゲストOS上に展開するアプリケーションについて、以下の点は抑えておく必要があります。

  1. Webサーバ、DBサーバを分けるか。その構成は?
  2. どのような通信をどことするか。プロトコルとポート番号を押さえておき、FW(ファイアーウォール)の設定をネットワーク担当業者にお願いする
  3. アプリケーション担当業者はOSの立ち上げから作業するか、OSは大学側作業となるか?
  4. 作業、テストをする日程を相談しておく

バックアップをどうするか

バックアップをどう取るか。ゲストOSのファイル単位でリストア可能としたいかどうか。全体がまるっとバックアップ取れれば構わないのか。バックアップの世代は何日分とっておくのか。これらの要件で、TeraStationでいいのか、バックアップサーバが必要なのか、変わってきます。

アプリケーション側でバックアップを走らせる機能がある場合もありますので、そこはアプリケーション・ベンダーに聞いておいてください。データベースはDumpを取って、それをバックアップしておけばOKとなります。

Dumpでない場合は、DBサービスを一旦止めてバックアップを取りますが、普通はDumpで済ませます。

また、バックアップも冗長化するかどうかという選択があります。

停電時の対応

UPSのことですが、停電時にサーバがどれくらいUPSで稼働を継続するべきか、当然、稼働時間を長く取るほど容量の大きいUPSが必要になり、価格も高くなります。瞬断に対応すればいいという程度であれば、3分ほど動いてからシャットダウンに入るというようにすればいいと思います。

APCのUPSは2年ごと保証です。

障害発生時の対応

障害が発生したとき誰にどういう対応をとってもらうか。保守やメンテナンスといわれる契約で取り決めます。サーバはメーカーの担当者に来てもらう、オンサイト保守が多いようです。24時間対応か9時~17時の間で対応かで金額が異なります。

その日のうちに来て直してもらうのでなくてもいい場合は安くなります。

そして、バックアップのリストアは10時間以上かかったりしますので、その日のうちに必ず直せるかというと2日かかることもあります。

保守の範囲ですが、ベンダーにどこまでやってもらうかで変わってきます。サーバの手配、VMwareの設定、ゲストOSのインストールまで頼めれば、そこまでが保守の範囲になります。それより上位の層はアプリケーション・ベンダー側が保守するようにして、保守の穴が出来るのは防ぎます。

まとめ

  1. 仮想化されるゲストOSがWindows系ならHyper-V、Linux系OSで最新バージョンを求めるならVMware
  2. ゲストOSのスペック表を作る
  3. バックアップのとり方を決める
  4. UPSの容量を決める
  5. 保守をどうやってもらうかを考えておく

 

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