相見積もりを取らずに購買手続きを進める方法

相見積もりを取らずに購買手続きを進める方法

大学での購買業務

大学でPCやサーバを購入するには、以下の手順を取ります。

  1. そもそも予算計上しているかどうか、していなければ予備費が計上されているか。
  2. 予算が確保されていれば、見積りを取る。このとき、金額によっては直接購入してよいが、ある金額以上は相見積もりをとる。さらに大きい金額の場合は、入札を実施する。3社程度で競争するように入札を開催する。
  3. 内部決裁をする。金額の大きさから誰が決裁権者かが決まる。部長か、学長か、理事長かなど。先に関係者に根回ししておくと、決裁が回りやすい。
  4. 業者と契約締結。
  5. 納品と検収。

ということで、PCひとつ買うにも時間がかかります。特に内部決裁。決裁供覧者が多くいたり、学長決裁や理事長決裁となったりすると、決裁を了するまでに2~3週間かかることもあります。民間企業では考えられないような時間感覚ですが、大学ではそれがまかり通っています。

そして、科研費での物品購入は、文科省からの通達もあり、相見積もりを必ず取ります。一方、大学のお金で買い物をする場合は、今まではそこそこ緩かったのです。が、最近では(科研費での物品購入ほどではありませんが)厳しくなり、相見積もりを取るように上司から言われます。

相見積もりを取る時間がない

数万円でも相見積もり取るんかいな!と思ったりもしますが、取るんです。会計検査院の指摘に耐えうる購買手続きの資料を揃えておかねばならないのです。しかし、皆様もおわかりと思いますが、相見積もりを取るということは、仕様書を作成しなければならないということです。仕様書作成は慣れない人にはけっこう大変です。それが、良くわからない機器の仕様書作成となればなおさらです。

そんな悠長に調達業務をしていたらタイムリーにお買い物ができないですよね。例えば、パソコン10台ほしいとき、今ならメーカーがキャンペーン中です、といっても、購入までに3週間もかかるようだとお買い得品の購入チャンスを逸します

他にも、システムの都合上、どうしても1ヶ月以内にサーバがほしいとかいうこともあります。それで、時間がかかるから買えないやというのでは仕事になりません。

では、どうすれば良いのか。

相見積もりを取らずに購買手続きを進める方法

相見積もりも取らずに、直接、1者から購入することを随意契約(直接契約)とか直接購入とかダイレクトショッピング(Direct Shopping)と呼んだりします。随意契約は常にいけないというわけではなく、ある条件が成立すれば随意契約もやむなしとされています。この、随意契約でもやむなしの条件をきちんと理解し、それに沿って、大学の購買手続きも行われるのが理想です。そうすれば、学内の経理部から文句を言われたり、会計検査院から不適切な購買として指摘を受けることも無くなるでしょう。

大学には調達ガイドラインが個別に作られていたりしますが、大原則としては、財務省が2016年に出した「公共調達の適正化について」という各省各庁の長宛の文書に沿っていれば問題ありません。

公共調達の適正化について 1.(2)①競争性のない随意契約によらざるを得ない場合より引用

イ 契約の相手方が法令等の規定により明確に特定されるもの

(イ)法令の規定により、契約の相手方が一に定められているもの

(ロ)条約等の国際的取決めにより、契約の相手方が一に定められているもの

(ハ)閣議決定による国家的プロジェクトにおいて、当該閣議決定により、その実施者が明示されているもの

(ニ)地方公共団体との取決めにより、契約の相手方が一に定められているもの

ロ 当該場所でなければ行政事務を行うことが不可能であることから場所が限定され、供給者が一に特定される賃貸借契約(当該契約に付随する契約を含む。)

ハ 官報、法律案、予算書又は決算書の印刷等

ニ その他

(イ)防衛装備品であって、かつ、日本企業が外国政府及び製造元である外国企業からライセンス生産を認められている場合における当該防衛装備品及び役務の調達等

(ロ)電気、ガス若しくは水又は電話に係る役務について、供給又は提供を受けるもの(提供を行うことが可能な業者が一の場合に限る。)

(ハ)郵便に関する料金(信書に係るものであって料金を後納するもの。)

(ニ)再販売価格が維持されている場合及び供給元が一の場合における出版元等からの書籍の購入

(ホ)美術館等における美術品及び工芸品等の購入

(ヘ)行政目的を達成するために不可欠な特定の情報について当該情報を提供することが可能な者から提供を受けるもの

読んでおわかりと思いますが、緊急性(急いでいるから)というのは、随意契約にする理由にはなりません。急いでいても、調達手続きの透明性が絶対なのです。